シリカ鉱物(水晶のでき方)
こんにちは、azrocksです。
今日は蘊蓄回です。
アゲート、ジャスパー、オパール等のシリカ鉱物の有名な産出地は、ブラジル、オーストラリア、米オレゴン州、メキシコ、ボリビア、モロッコ等。
一方、水晶の有名産地は、ブラジル、ヒマラヤ山脈、米アーカンソー州、コロンビア、中国四川省・貴州省等。
同じシリカ鉱物なのになぜか分布が違う。不思議ですね~
素人なりに水晶とアゲート・ジャスパー・オパールでは何が違うのか調べてみました。今回は主に水晶について
まず構造の違いから。
水晶はシリカ(石英)の単結晶であるのに対して、アゲート・ジャスパー・オパールはシリカの隠微晶質で無数の微小な単結晶が集まったもの。ガラス(アモルファス、非晶質)ではなく隠微晶質であることがアゲートに無数の魅力的な模様・構造を生み出している(詳細気になる方はマルコ先生の著書をオススメします。追々ブログでも紹介していく予定)。
次に形成機構。
水晶のような大きく綺麗な単結晶を作るには、少ない数の核形成をした後に低い過飽和度の環境下でゆっくりと結晶を育てる必要がある。温度も重要で、水晶が成長するのは250〜400℃で、100℃まで下がると成長が止まってしまう。
温度250〜400℃と緩やかな環境変化を満たす条件は主に2つ。
一つは地殻活動。深さ50kmでは温度800〜1200℃だがこれが数百万年かけて地表まで持ち上げられるとゆっくり温度が下がっていく。深さ20kmのとき200〜400℃になり水晶が育つ。
もう一つが高温マグマが岩石に侵入した場合。温度が下がるのに数百〜数十万年かかり、こちらも水晶が育つ。
水晶の育つ環境を知った上で水晶産地を見てみると、山や隆起した地域が近いことに気付いて面白いですね!
今マルコ先生の三冊目(500ページ超)読書中で、ようやく1/5まできた。読了後にアゲート編をブログ予定です。